伊勢志摩さいこう会
伊勢のまちを木のまちへ 外宮周辺の景観づくりの創案
1.活動地区の概要
伊勢市の代表的な中心市街地である外宮参道では、かつての賑わいを取り戻すために
数年前からまちづくりの議論・検討が活発に行なわれてきた。その成果の一部は実施さ
れ、平成25 年の式年遷宮に合せ、新規ホテルや飲食店建設など、新しい動きも出て
きた。しかしながら、景観という視点においては、日本の中心市街地のどこでも見かけ
る様子を呈している。外宮参道において、「神都伊勢らしい、外宮参道らしい」景観をみ
んなで議論し、「伊勢を木のまちへ」のコンセプトのもと、先導的にまちづくりを進めて
行く地域として、最も適していると考える。
2.活動内容
平成22 年度は、1 軒の伊勢の町家の建築的悉皆調査、再生、保存、再利用計画の立案
と耐震に関するサンプル診断を実施した。また23 年度は、伊勢の町家マップのDB化、地
産地消を目的とした伊勢町家21世紀型住宅モデル創案等を活動成果として得た。今年度
(平成24年度)は、これまで得られた成果の浸透と担い手の育成に重点を置いた。具
体的には、過去2 年間の成果(まちづくり関係の専門的な資料)に、低炭素まちづくり
の視点とアプローチを加味した。また「伊勢を木のまちへ」の新たなイメージで外宮参
道の修景案などを提示するために、わかり易さと見える化(可視化)を前提に、バーチャ
ル・リアリティ技術を利用、40枚のパネルの製作と1 ヶ月半に渡るパネル展示、担い手
の育成を目指して、ミニまち歩きツアーや11 回に及ぶミニタウンミーティングの企画・
実践を行った。
① 担い手育成のための環境整備活動と環境整備活動とコミュニケーション強化
1)機能別に6 つ推進グループを編成し、専用メーリングリストの運用やクラウドサーバ
ー利用による情報共有化など推進するプロジェクト体制を構築して実践した。
2)「メンバー間のネットミーティング」などが出来るネット環境を構築し、検討会議の効率化
を図る体制整備とコミュニケーションを強化した。
② 有力な9名の担い手(候補)を選出し、可視化ツール作成とそれを使った担い手自身に
よる広報の実践建築士と建築士以外のメンバーで6 組のグループを構成。上述の活動内
容の企画、市民への参加呼びかけ、プレゼン、ファシリテート、報告書作成などの一連の
業務を経験することに重点を置いた。
1)パネル作成(A1 サイズパネル40 枚)と展示(期間:2012.11.19~12.30、処:外宮
参道ギャラリー)
・平成22 年度、23 年度の担い手推進事業の成果パネル(図1)。
・低炭素まちづくり提案(図2)、外宮参道の修景案パネルetc.
2)バーチャル・リアリティ(VR・可視化技術)による外宮参道修景案の作成(Before ⇒
After)図3.4
・操作系:パソコン上で、ウォーキングしながら、現在と修景案を切り替えて観ることが出来
る構成。
・動画系:VRを元に簡易動画アニメも作成(Before⇒After の一連のアニメーション:5 分40 秒)。
3)ミニまち歩きツアー企画・実践(外宮参道とその周辺を歩き、建築物の過去・現在・未来を解説)
・日時:
11 月23 日(金) ・午前の部 36 名 ・午後の部 22 名 計 58 名
4)ミニタウンミーティング企画・実践(計11 回開催)
9 名の担い手(候補)による、サブテーマ設定(メインテーマは、「伊勢を木のまちへ」)とそ
れに基づくプレゼン資料の作成、広報、集客、プレゼン、ファシリテート、アンケート、報
告書作成などを経験。尚、10 回・11 回は、(公社)日本建築士連合会会長の三井所清
典氏の特別講演(写真2)との合同で開催(詳細は、図5)。