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第7期 2013 H25 活動実績


伊勢志摩さいこう会

伊勢市内の広域的かつ長期的な景観形成に向けた、
伝統的町家の様式を継承した

21世紀型住宅の創案     


地域の伝統を活かした良好な景観の形成と、地元の住宅産業の経済的発展と職人の技
術向上に役立てることを目的に、現存する伊勢町家を調査し(調査カルテやマップの作
成)、その優れた要素を学び取り、新しい伊勢町家の4 つの基本スタンスを提起した。更
に現代に合うように改良を加え、次世代に通用する地域型住まい、いわゆる「21世紀
型の伊勢町家」としての住宅・建築モデルを創案するとともに、ワークショップなどを通
しての広報・周知を行った。

 

1.活動の背景と目的

(1)背景

本事業は平成22 年度(2-41 伊勢の町屋[旧M 家]の移築・保存に向けた調査及び
用計画の立案)の同事業の成果を踏まえた発展的な事業として企画した。昨年度の事
業においては伊勢町家の分布状況と固有の建築要素を調査し、伊勢町家が市中から
姿を消しつつある現実やそれらの保存・活用・再生が、伊勢のまちづくりに不可欠であ
ることを訴えた結果、取り壊しが中止され、その大切さなどが市民に着実に認識される
ようになった。

また、地元の工務店や職人との座談会では、市内の新築住宅の多くがハウスメーカによ
る合理化された現代工法で建てられる建物であり、その傾向は益々増加の一途をたどり
つつあると言う認識であった。

一方、私達伊勢志摩さいこう会は、伊勢市駅前~外宮エリアのまちづくりについて行って
きた数回の提言もきっかけの一つとなり、伊勢市駅前再生プロジェクト(行政、商工会議
所、外宮参道発展会、外宮にぎわい会議、観光協会などが構成員)がスタートし、現在も
議論を継続中である。私達も当地域の良好な景観形成を目指したまちづくり活動の中、外
宮参道発展会と協働で数回のワークショップを通して、VR(バーチャルリアリティ)の手法
を活用し、「木のイメージ」のある景観まちづくりが大切であるという考え方も醸成してき
た。

(2)主旨・目的

ハウスメーカの提供する住まいも利便性や居住性能に優れてはいるが、地域の伝統、良
好な景観形成に対する視点においては弱く、地域固有の景観を持続するための課題も多
い。住まい手が住宅を建てる場合にまちの景観形成にも価値を置くような意識変革やまち
並みを重視した建築デザイン、それに応えうる職人の技術の伝承を含め、地場の住宅関
連産業の有機的な結合と全体の底上げが課題となっている。

地元の住宅関連産業の経済的発展と職人の技術向上に役立て、同時に地域の特性を活
かした良好な景観形成に向けるためにも、伊勢特有の町家の様式をベースにした21世紀
型の伊勢町家のモデルを創案する必要がある。

即ち、現存する伊勢町家を見直し、学ぶことで優れた遺産を継承し改良を加え、更に耐震
化や快適性、経済性まで含めた次世代に通用する地域型住まいの設計やまちづくりを可
能にするモデルを創案、マニュアル化し、市民に受け入れられることを目指す。

同時に、行政側に税制上の利点や補助金等のインセンティブなどを用意してもらうよう働
きかけるきっかけとする。

 

2.活動内容

(1)活動概要

地域の伝統を活かした良好な景観の形成と、地元の住宅産業の経済的発展と職人の技
術向上に役立てることを目的に、現存する伊勢町家を調査し(調査カルテやマップの作
成)、その優れた要素を学び取り、新しい伊勢町家の
4 つの基本スタンスを提起した。更に現代に合うように改良を加え、次世代に通用する地
域型住まい、いわゆる「21世紀型の伊勢町家」としての住宅・建築モデルを創案するとと
もに、ワークショップなどを通しての広報・周知を行った。

① 現在の伊勢町家についての調査

伊勢町家について、文化・歴史的価値や分布を含めた現状を調査し、その特徴などをまと
めた。具体的には、現存する伊勢地域の町家を調査カルテに基づき調査し(※1)、町家
マップを作成するとともに、既存調査資料(※2)とを融合、データを一元化し、歴史的背景
についても考察した。

※1:中島地区、大湊地区

※2:二見地区、小俣地区、田丸地区、明和地区((社)三重県建築士会調査データ)

② 伊勢町家(背景、特徴、学ぶ点、改善点)の抽出

上記調査結果を踏まえ、現在の伊勢町家の特徴を屋根瓦 、大きな破風、張り出し南張囲
い、刻み囲い、玄関軒、雁木、大庇、出格子、生成りと塗装、開放的プランなどのデザイン
上の課題と、防災、温熱環境の確保や、地産地消などの施工法、材料の地産地消の課題
として捉え、学ぶべき点、改善すべき点について整理。

③ 21世紀型伊勢町家のいえづくり・まちづくりのキーワードの提案(創案)

・伊勢町家に学ぶと共に、木のまちのイメージ・伊勢の文化との関連付けを行い、【伊勢町
家のかたち、環境との共生、安全安心、長寿命・サスティナブル】と、4つのキーワードに
整理(意味づけ、定義づけ、位置づけ)し、21世紀型伊勢町家の基本スタンスを定めると
ともに、ディテールの提案を行った。

・21世紀型の伊勢町家の住まい・建築物の具体例として、複数パターンの新築モデル
例、既存ビルの修景例、及び町家(空き家)を居住用に改装した実例を取材し提示。

④ 21世紀型伊勢町家住宅モデルを広げるための活動

・本提案の魅力の市民への伝え方について、住まい手、施主の立場からの課題の提示。
・広報、周知活動

複数回(3 回)に渡るワークショップ(事業構想→中間成果報告→完了報告)を実施し、
本事業についての意見交換や周知活動を実施。

・モデル創案を元に、伊勢市民を対象に、住宅を建てる場合の意識調査を、対面式により
実施し、周知を拡げるための課題や戦略などを検討。

 

(2)活動内容

1)伊勢町家マップづくりについて

昨年度事業では、伊勢の主だった町家を調査しマップ化した。ある程度、伊勢全域を
網羅しているが、あくまで点としての調査にとどまった。今回は、地区を限定し、群とし
ての町家、まち並みという観点での調査を目指した。具体的には、比較的町家が残る
大湊、中島の2地区を取り上げ、外観調査を行った。

① 調査方法

数名のグループを作り、大湊2グル―プ、中島1グループで道を歩きながら、調査を行っ
た。外観調査により調査カルテ(図1)の項目を埋め、地図にプロットしていく方法を基本と
し、適宜聞取り調査を行った。

①伊勢の町家様式に学ぶ(再評価)

②屋根の推奨すべき形態と素材の選定

③外壁の推奨すべき素材の選定

④建具廻りの素材の選定と納まりの設計

⑤町家の耐震計画策定

⑥21世紀型伊勢の町家の創案

~設計マニュアル化~

・ワークショップ①:9月24日(日) 専門家、建築関係者を集めて、上記策定の計画や調
査内容の議論(町家マップGと合同)

・ワークショップ②:11月5日(土)みえ木造塾の合宿に参加し、ジョイント型のワークショッ
プで、上記調査結果(途中経過)素案を議論しマニュアル化に活かす。

・ワークショップ③:12月10日(土) 町家マップGと合同

・専門家検討会議:専門家の指導を入れた会議(適宜:計3回程度を予定)

⑦本事業の円滑なる推進及び成果の継承のための活動

1) 本事業の主旨をアピールし支援の為の関連条例制定に向けた関係各位への働きか
け。

2) 行政や関係者(商工会議所、建築士会)などとのより強力な協働を実現すべく、21世
紀型町家住宅の創案協議会の設立(昨年度の伊勢町屋再生プロジェクト協議会を見直
し、強化する活動)

3) 事業成果を継承するための報告会を含む行政・建築関係者・市民への発表や啓蒙活
動。


現存する伊勢の町家の詳細調査の実施

  ・(社)建築士会、三重大学など地元関係者と協働し、昨年事業で調査したM邸の
   データを元に現存する伊勢の町家の詳細調査を以下のポイントを考慮して行なう。

(ポイント)

1) 再調査にあたり、伊勢の町家マップの完結(昨年度成果のバージョンアップ)

建築士会伊勢支部の調査データ(既存データの整理と補完すべき内容の抽出案は補完
を行い、協力者を募って町家マップを完成させる。

・ワークショップ①③:9月24日(日)12月10日(土)予定(21世紀創案Gと合同

2) 伊勢の町家の独特の「刻み囲い」などの耐久性、防雨性の検証。またこのような要素か
ら建物の長寿命の理由を考察。

3) 伊勢の町家における温熱環境の測定~土壁の性能や風通しなどを生かした快適住環
境の提案。

4 )伊勢の町家固有のエレメント(出格子・大庇・張り出し南張り囲い・軒がんぎ板・鬼瓦と
隅蓋など)を再検証し21世紀型町家に継承すべき項目を選定し、高度化する。

② 町家マップの作成

大湊、中島の2地区において調査した町家を地図にプロットした。調査数は、大湊地区36
軒、中島地区15軒の合計51軒となった。(図2、図3)

③ 調査データと既存調査資料のとりまとめ

伊勢町家の現況を包括的に把握できる資料とするため、既存調査資料も統合した。平成
22年度に行われた(社)三重県建築士会「地域伝統文化活性事業」(二見地区、田丸地
区、小俣地区、明和地区)の29軒の調査カルテを統合し、各地区のマップを作成するとと
もに、今回の調査地区と既存調査地区を表す伊勢町家分布図を作成した(図4、図5)ま
た、平成22年度に実施した町家調査資料(図6、図7:伊勢志摩さいこう会)も本資料に統
合した。

④ まち並みの考察

調査カルテ、分布マップとから、各地区の歴史的背景と町家の特徴をまとめた。

・大湊のまち並み

大湊は造船業が栄えた所としても知られており、船釘鍛冶も多数あった。町家としては基
本的に切妻妻入り、刻み囲い、張り出し南張囲い、連子格子、出格子、軒庇、大庇、軒雁
木がある。屋根の形状は切妻、寄棟、入母屋が入り混じっている。

また道路が狭く、雨が吹きつけてこないためか、軒雁木が付いてない家も多い。格子も建
設当時は付けていたようだが現在は無い家が多い。商業を営んでいる民家は少ないが商
家建物の形式を伝承した古い伝統的な家屋は多く残っている。

・中島町のまち並み

参宮街道は正保四年(1647)に二本の街道が町内を通ることとなり、御師の館や旅籠茶
屋が軒を連ね多くの参詣者で賑わった。町家としては基本的には典型的な切妻妻入り、
刻み囲い、張り出し南張囲い、連子格子、出格子、軒庇、大庇、軒雁木付きである。屋根
の形状は切妻、寄棟、入母屋と入り混じっていて、自由な雰囲気を感じる。間口の狭い家
は大庇がなく、正面のデザインとしては切妻妻入り。間口の広い家は大庇もあり、豪商で
あった雰囲気をかもしだしている。

・河崎のまち並み

河崎は江戸時代、日本各地から集まる物資を売りさばく問屋が軒をつらね山田最大の商
業地区を形成していた。まち並みは切妻妻入りの家屋や蔵が建ち並びあたかもノコギリの
刃のような景観を呈している。家紋や屋号の入った大きな鬼瓦を頂く屋根は本瓦葺きが多
く反りやむくりが強烈に自己主張をしている。外壁に塗られた黒(濡れガラス)と蔵の軒先
に使われている漆喰の白とのコントラストが切妻の美しさを際立させている。刻み囲い、張
り出し南張囲い、軒雁木を付け、建物を風雨から守る。開口部には出格子、連子格子をつ
けている。

・二見町茶屋地区旅館街

夫婦岩表参道沿いで営業している旅館は、全盛期の半分以下であるが、大規模な観光開
発を逃れたことで、古いまち並みの良さが残っている。旅館街のまち並みは海側に旅館、
山側に土産物店が建ち並んでおり、木造三階建ての旅館が多数残っている。屋根の鬼が
わらの立派さ、反り、むくりの屋根、隅蓋、袖瓦、格子、手摺の模様、塀の模様等、細部に
わたって工夫が凝らされている。

・玉城町のまち並み(田丸)

近世、中期以降玉城一帯は城下町と言うよりはむしろ宿場町として隆盛をきわめた。
町家としては、切妻妻
入り、刻み囲い、張り出し南張囲い、軒庇、出格子、連子格子等
の基本形を意識しつつ独自の形態を造りだし
ている。道路に面した敷地の広さ、平入
りの家の多さ、しかも母屋と蔵が道路に面して横並びし、また蔵が二棟
あるなど豪華さ
と豪商たるを競い合っている。また中二階の家も多く、漆喰塗のところに虫籠窓の遊び
も見られる。格子の素晴らしさ等も含め当時の豊かさがうかがい知れる。

・小俣町のまち並み

小俣は諸国より多数の参宮客が往来する街道筋であり、これらの人達を相手とする商
業が発達した。町家
としては、町家の形態を守りながら切妻妻入り、平入り、入母屋と
比較的自由である。特に平入りの家は蔵
を道路沿いに並べて建て、いかにも豪商であ
ることを強調している。また格子が美しく施工者の技量の高さ
がうかがわれる。蔵の黒
と軒下の漆喰の白さが良く調和し素晴らしい景観を創りランドマーク的な存在にな
って
いる。妻入りの家においても敷地が広く蔵も存在し⑤ 町家マップの作成を通じて各地
区の町家を調査し、資料を統合してみるとその形態には共通の要素がかなり多く見ら
れること、そして各地区固有の要素があることもわかった。

今回は、外観調査を主としたため、建設された年代を特定できた軒数は少数にとどまっ
た。建設年代を特定し、形態の傾向、経年変化や増改築履歴などを調査すれば、より有
効な町家の資料となると思われる。今後の課題としたい。また、今回の町家調査において
は専門家以外の一般の方も調査員として参加いただいた。町家を専門家と一緒に見るこ
とによって、身近に町家を感じてもらう事を狙った。これは一定の成果を得たようである。
(付帯資料の感想文参照)

 

2)伊勢町家に学ぶ(特徴、背景、学ぶ点、改善点)

① 風土と歴史によってつくられた伊勢の町家と独自の景観

切妻妻入りに代表される伊勢町家の特徴は、刻み囲いの外壁、張り出し南張り囲い、軒
雁木など建物全体が木で覆われ、周到な雨仕舞いが施された全国でも類を見ない独特な
形態であると考えられる。そして、簡単に取り外しができる外壁の工夫は修繕を容易にし
て長寿命に寄与し、火災時には延焼を抑える効果もあったと聞く。

伊勢は紀伊山地を背景に持つ良質な木材の集積地であり、町人の文化経済レベルも高
く、職人に十分腕前を発揮させられる土地柄で、さらに台風の通り道で下から雨が降ると
言われる気候風土が、このような特徴ある町家を生み出したのだと考えられる。

このような、歴史や気候風土に根ざした伊勢の地域性のある町家を「伊勢町家」と呼ぶこ
とにする。

② 経済成長とさまざまな問題

一方、現在の私たちの住まいや暮らし方はこの半世紀で一変した。高い経済成長と技術
の進歩がもたらした経済的で工業化された住まい、まちづくりは、風土に根ざした地域性
のある住まいや景観を急速に失わせつつある。

一方で、建築基準法などの施行により、木造建築は防火の規制がかかるようになり、モル
タル塗りの外壁や非木造の建築に改築されたり建て替えられてきた。また、住宅の工業
化、洋風建築へのあこがれなどから、様々なスタイルの建築が建てられるようになり、「伊
勢町家」の独自の景観は急速に失われてきた。

さらに、産業廃棄物の処理、地域産業の空洞化、職人技術の喪失、エネルギー問題、森
林の荒廃、地球温暖化など、深刻な問題が顕著に現れてきた。

最近になって大量生産、大量消費の経済活動のあり方など、様々な分野で急速に見なお
しがされてきている。

③「伊勢町家」に学ぶこれからの住まい・まちづくり

今回私たちが調査した「伊勢町家」のほとんどは、さまざまな要因から存亡の危機にある
と思われる。これらは今後、一棟でも多く保存活用されることが望まれるが、経済的な理
由など、現実的には困難であると言わざるをえない。一方、伊勢のまちづくりでは、おはら
い町、二見地区の景観重点地区においてはすでに良好な景観が造られつつあるが、伊勢
市駅前など、伊勢の観光や生活者にとって重要な地区では、伊勢らしさを感じられるとは
言いがたいのが現状である。

こうした背景のもと、現存する「伊勢町家」を見直し、学ぶことで優れた遺産を継承し、さら
に耐震化や快適性、経済性、防火性などの現代の要請を加えた「21世紀型伊勢町家」の
設計を可能にするモデルを創案する。

④ 伊勢町家」の詳細と現代工法との比較

伊勢町家のマップづくりを通して、プロジェクトチームのメンバーで話し合い、「伊勢町家」
の特徴を詳細に検討した結果、外観的要素として、「屋根瓦」「大きな破風」「張り出し南張
囲い」「刻み囲い」「玄関軒、雁木」「大庇」「出格子」「生成りと塗装」の8項目を、その他の
要素として「開放的プラン」「温熱環境」「防災」「地産地消」の4項目を抽出し、それぞれに
ついて現代工法との比較を行った。

3)伊勢町家に学ぶ「4つの基本スタンス」と特記仕様書

① 伊勢町家に学ぶ「4つの基本スタンス」

「伊勢町家」を見直し、学んだ新しい伊勢町家を「21世紀型伊勢町家」と名づけ、検証して
きたことを以下の「4つの基本スタンス」にまとめた。伊勢町家のかたちは、伊勢の気候風
土や歴史によって培われてできたかたちと言える。新しい伊勢の景観づくりに寄与する
「伊勢町家のかたち」をつくっていくことを基本スタンスとする。

伝統民家に学び、可能な限り環境に負荷を与えない快適な住まい、また地域材や職人技
術をみなおし、地産地消のいえづくりを目指し「環境との共生」を基本スタンスとする。規則
的な架構による構造計画の大切さと風土に培われた耐風雨性を伊勢町家に学び、さらに
現代のまちづくりに必要不可欠な防災性能を加えた「安全のいえづくり」を基本スタンスと
する。変化に対応できる開放的な間取り、維持管理がしやすいディテールなど、伊勢町家
に学ぶ「長寿命でサスティナブル」な仕組みを持ったいえづくりを基本スタンスとする。

②「21世紀型伊勢町家」特記仕様書

4つの基本スタンスをベースにした「21世紀型伊勢町家」の特記仕様書を提案した。
4)4つの基本スタンス、特記仕様書に沿った具体的な建築の提案

「4つの基本スタンス」、特記仕様書に沿った5つの具体的な建築の提案を試みるととも
に、町家に暮らしている方への取材も行った。

提案1:21世紀型伊勢町家のプロトタイプⅠ(東側接道)

切妻妻入りの典型的な「伊勢町家」のスタイルの外観、内部は現代的なプランで新省エネ
基準を満たす温熱環境とパッシブソーラーを試みた提案。

提案2:21世紀型伊勢町家のプロトタイプⅡ(小住宅/西側接道)

切妻妻入りの典型的な「伊勢町家」のスタイルの外観、内部は駐車場付き1階寝室、2階
リビングの極めて開放的なワンルーム型小住宅の提案。

更に提案1、2について、具体的に省エネ性能と防火性能を担保する標準詳細を併せて
提案。

案3:角地に建つ木造2階建て店舗併用住宅

準防火地域に建つ切妻妻入りの典型的な「伊勢町家」のスタイルの外観をもち、地域材を
使った伝統的構法、土壁を採用、内部は伊勢町家に学んだ開放的でしかも現代的なプラ
ンを具体的な詳細仕様と共に提案。

提案4:伊勢市駅前の準防火地域に建つ木造3階店舗併用共同住宅

「4つの基本スタンス」に沿った木造準耐火構造の建築の提案。内外ともここまで木を現し
で使用できるというケーススタディー。具体的な詳細図と法的根拠をあわせて提案。

提案5:伊勢市駅前の既存ビルの「伊勢町家のかたち」による修景伊勢市駅前のすで
に既存のビルが建ち並ぶ地域で、「刻み囲い」や「出格子」を使った「伊勢町家のか
たち」による修景を試みた。「木のまち伊勢」という切り口をまちづくりの取っ掛かりに
しようという提案。

 
会員企業のご紹介
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お伊勢さん和婚式

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一級建築士

    東京都文京区 <HP>
 
(有) 石周メッツ

Sports School& Sports Club

伊勢市小木町 <HP>

 
(株) 萩原建設

一級建築士

    伊勢市小木町 <HP>
 
バッドパ-ムス

登山・アウトドア用品専門店

伊勢市本町 <HP>

 
shu建築設計事務所

一級建築士

    多気郡明和町 <HP>
 
エーステレホンシステム (株)
    電話のことなら何でも
    東京都練馬区 <ML>
 
焼鳥酒場 飛車角
  東京都江古田店 <

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(㈱)エランセ
  齋藤都世子ブランド
  東京都世田谷区 <HP
 
NPO 顧客ロイヤリティ協会
  顧客ロイヤルティ理論を伝道
  東京都調布市 <HP
 
(株)勢乃國屋
伊勢名物 神代餅 
伊勢市宇治今在家町 <HP
 
割烹 大喜
伊勢志摩の旬の素材を
伊勢市岩淵 HP
 
町家とうふ
出逢いに感謝
伊勢市河崎 HP
 
(株)山信工業
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伊勢市田尻町 HP
 
伊勢まちなか開発㈱
伊勢市駅前B地区開発
伊勢市河崎 <HP
 
伊勢空き家管理サービス
前田建材 不動産事業部
伊勢市小俣町<HP